上場した消費者金融

上場企業となった貸金業者

90年代はバブル崩壊と国内の景気悪化による影響で、銀行等の金融機関は軒並み赤字に転落し、莫大な不良債権を抱えていました。土地建物等の不動産を担保に融資をしていた銀行業界とは一線を画し、消費者金融業界は不動産には目もくれず、あくまでも個人への小口融資を地道に行っていたのがこの時代です。

その結果、消費者金融業界は空前の業績を上げ、ついてには株式を店頭公開するまでに至ったのです。1993年に初めて店頭公開をしたのが、アコム、プロミス、三洋信販、そして1994年には四国最大手のニッシン、クレディア、シンキなどが店頭公開をはたします。

  • 1993年 9月・・・アコム、プロミス、三洋信販が株式公開を果たす
  • 1994年12月・・・イオンクレジットが株式を店頭公開
  • 1994年12月・・・四国最大手であったニッシン消費者金融が店頭公開
  • 1995年10月・・・クレディア消費者金融、シンキが店頭公開を果たす
  • 1996年 8月・・・武富士が株式公開を果たす
  • 1996年 9月・・・アコム、プロミス、三洋信販が東証一部に登録
  • 1997年 7月・・・アイフルが株式公開を果たす
  • 1997年 9月・・・北海道最大手のアース消費者金融が上場を果たす
  • 1998年10月・・・アイフルが二部上場を果たす
  • 1999年 2月・・・シンキが二部上場を果たす
  • 1999年 9月・・・ニッシン・クレディアが一部上場を果たす

好業績の沸いた90年代

上記の年表を見れば分かるように、消費者金融業界が90年代に大きく飛躍していたことが分かると思います。その要因として、バブル崩壊で貸し渋りをした銀行業界とは対照に、堅実な小口融資を推し進めていたこと、そしてアコムが開発した無人契約機による新規利用客の増加です。無人契約機の台数は、以下の図表を見ればわかるように、わずか二年で瞬く間に全国に広がっていきました。

無人契約機の台数

そして好業績を上げていたもう一つの大きな要因として、金利の高さにあります。当時の上限金利は利息制限法では18.0%(10万円〜100万円)と定められていたものの、出資法での上限金利は40%もの高金利が認められていたことから、最大手の消費者金融であっても30%近くの金利を取っていました。

2000年以降の凋落

好業績に沸いた90年代ですが、そんな一人勝ちを許すほど世間は甘くありません。2000年代に入ると、過剰融資を抑制するための法改正が成立し、上限金利も切り下げられました。また、グレーゾーン金利が最高裁判決により認められなくなったことから、過払い金請求が全国で相次ぎ、これによって倒産の憂き目に遭う業者が増えていったのもこの時代です。

結局、90年代に上場した消費者金融のうち、現在上場企業として生き残っているのはアコムとアイフルのみになっています。

  • 三洋信販・・・2007年上場廃止、2010年プロミスに吸収されて消滅
  • ニッシン・・・2012年民事再生法手続きにより整理銘柄に指定、2013年破産手続き完了
  • クレディア・・2007年民事再生法申請、同年上場廃止、Jトラストに吸収されて消滅
  • 武富士・・・・2010年会社更生法適用、同年上場廃止
  • アース・・・・2012年上場廃止、2017年破産手続き開始